運命の人がいて、その人といつか結婚すると考えている少年・少女はいても、成人はまずいないでしょう。多くの方が、成長する過程の中で男女の関係がそうシックリくるものではないと実感しているはずです。
また、たくさんの人が運命の人を夢見ることを否定したくないために奮闘します。そんな方々にちょっといいニュースです。
普段何気なく群れになって泳いでいるような小魚の大群にも、きちんとオスとメスの特別な夫婦の絆があるそうです。魚と人間では大きく違いますが、魚が多くの中から特別な相手を作るのなら、人間にだって不可能ではないはずです。
この研究を行ったのは京都大学の生物科に属する研究員。研究対象になったのはアフリカのタンガニイカ湖に生息するシクリッド科魚類、日本語表記でいうとスズキ科のカワスズメだそうです。
この種の魚は普段群れを作っているので、ペアが成立しているオスとメスをそこから区別するのは容易ではありません。しかし、彼らは口の中に自分たちの稚魚を入れて保護する性質があります。
オスとメスでそれぞれ口の中の子供たちの成長具合が違っていたため、相手からある程度成長した子供の受け渡しをしているはずと推測されていました。
今回口の中の子供とそれを育てているオスのDNAを調べたところ、なんと、オスはきちんと自分の血を受け継いだ子を口に含んでいました。つまり自分のパートナーから正確に稚魚を受け取っていたことになります。
ペアがきっちり成立している魚は、群れから独立し、縄張りを持って子育てをするのがこれまで魚の世界では一般的とされていましたが、そうではないようです。
また、集団で生活するにしても、ハチやアリ、一部のほ乳類のようにコロニーで保育園を作るなど、親に関係なく全員で面倒を見るというわけでもありません。
大勢の中から自分を見つけ、他と区別し、子育てまで協力してくれるなんて、それは愛着がわきそうですね。