イヌリンと血糖値の関係|急激な上昇を抑えるメカニズム
イヌリンは血糖値の高さに不安を抱える方々に注目されている食物繊維です。健康診断で注意されることのある数値のひとつですが普段あまり血液検査をしないと変化に気付けないこともあります。
ではなぜ健康診断で血糖値をチェックしているのでしょうか。それは血糖値が「糖尿病」を見破る大切なバロメーターになっているからです。
糖尿病は日本に数百万人患者さんがいると言われている病気です。生活習慣病として知られ中年から患者数が増え始めます。
40歳を過ぎると5人に1人が糖尿病予備軍、つまり気付かないうちに血糖値が高い状態といわれています。ではどうして血糖値が高くなってしまうのでしょうか。
その原因のひとつは日本人特有の体質にあります。日本人は明治維新になるまでほとんど肉食していませんでした。
高脂肪・高カロリー食が当たり前になったのはごく最近のことです。長らく低脂肪・低カロリー食に慣れた体を持つ民族のため肉食を中心とした欧米的な食生活に体がついていけないと指摘されてもいます。
特に顕著なのが「インスリン」というホルモンです。インスリンは糖分を全身の細胞に届けてエネルギーにする作用を担っていますが和食が基本の日本人はもともとインスリンの分泌が弱い民族と言われています。
そのためインスリンの分泌が弱まったりインスリン自体の働きが悪くなりやすいのです。インスリンがうまく働かなくなると全身の細胞はエネルギー不足になります。
逆に血中には取り込まれない糖分が余分に漂うようになります。これが高血糖状態で長い間続くと糖尿病と呼ばれるようになるのです。
余分な糖分はいつしか血管を傷つけ内部にコブを作ったり血管自体を硬くしてしまいます。その結果腎臓や網膜・神経に障害をもたらしたり、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めたりします。
糖尿病の怖さはこうした合併症の危険にあります。そのため糖尿病のサインである血糖値が注目されているのです。
イヌリンは水溶性食物繊維でお腹の中でゲル状になります。イヌリン自体は人間の腸では消化吸収できないためそのまま排泄されますがその時一緒に食べたものの糖分も巻き込みます。
そのため糖分の吸収を阻害して血糖値を上げることを抑えてくれるのです。糖尿病でお悩みの方や血糖値が気になる方の強い味方です。
こうした優れた働きを持つためイヌリンは「天然のインスリン」とも呼ばれているのです。イヌリンは菊芋という植物に多く含まれます。
血糖値が気になり始めたら菊芋を料理に使ったり菊芋サプリなどを上手に使って血糖値を穏やかに保ちましょう。