雑穀の良さを伝えるうえで、食物繊維の多さは欠かせない点だと思われます。特に現代人に不足している栄養で、ダイエットに有効ということで、体型を気にして意識して摂取している人は多いことでしょう。
ところで、食物繊維についてよくご存じですか?食物繊維は炭水化物に分類されますが、体内で分解されず、そのまま体外に排出されることで有名です。消化しにくい、長い構造をしているため、絡まって水分を保持したり、腸の動きを刺激して便通を助ける働きを持っていたりします。
さらに食物繊維には水に溶ける「水溶性」と、溶けない「不溶性」の2種類のタイプがあります。
水溶性食物繊維は、水をよく吸い、ゲル状に変化する性質を持っています。例えば、こんにゃくゼリーなどがこんにゃく由来の食物繊維を豊富に含んでいると知られていますが、このゼリーのぷるんとした性質も水溶性だからこそ。ほかにも海藻の粘りに含まれるアルギン酸や、人気の食材アボカドなどが該当します。
このタイプの食物繊維は、整腸作用のほか、炭水化物の消化吸収を抑え、血糖値の上昇をゆるやかにするほか、コレステロールなどの脂肪の吸収も抑えることができるという特徴を持ちます。
対して、不溶性食物繊維は、水に溶けることがないため、ゲル状にはなりませんが、構造上水分を多く保持することができます。こちらは水分を吸うと膨張するので、体内に入ると満腹感を得られ、食べ過ぎの防止、そして、便通の促進に役立ちます。
不溶性の食物繊維が含まれる食べ物は、水溶性と違って固いものが多いです。豆やナッツ、キノコや野菜に多く含まれています。この性質から、自然と噛む回数が増え、さらに満腹感が得られやすいという相乗効果もあります。
雑穀に含まれる食物繊維も、こちらの不溶性食物繊維になります。最近の研究では、食物繊維は水溶性と不溶性の摂取割合が1:2になると理想とわかっているそうです。なので、雑穀や野菜の多い食事を心がけつつ、水溶性の食物繊維もさらに加えるといいかもしれませんね。