今では健康的な食事の代表格にまでなった雑穀。しかし、雑穀は昔、今の白米よりも日本人に親しまれていた食材でした。
戦後まだ間もない頃、食糧不足にあえぐ日本人のお腹を満たしていたのは、雑穀。しかし、白米の方がおいしいということで、戦争の苦しく、貧しいイメージがついてしまったためか、雑穀は次第に食べられなくなりました。
白米は稲から籾殻や糠などを取り除いたもの。固い皮が取り除かれ、栄養が詰まった実の部分だけを食べるので、柔らかく、甘みもあります。
雑穀は白米に比べてそういった処理をほどこしていないので、プチプチとした食感が残ります。プチプチならおいしそうですけど、ブチッと1粒1粒噛みちぎるようというと、貧しい食事というイメージが頭に浮かぶかもしれません。
雑穀が今日こんなに注目を集めているのは、そのブチブチと噛みちぎる部分に多く含まれている食物繊維のおかげ。アメリカでは食物繊維を多く摂っている人ほど、長生きするという関連性が医学的に認められたそうです。
白米の前に日本でよく食されていたのは、麦ご飯や玄米です。白米はこうした主食に比べて、精米している分栄養の吸収がよくなると言われていました。
実際、食物繊維も、一昔前であれば、栄養にもならない、さらに他の栄養吸収を妨害する邪魔な存在として考えられていました。
今と昔を比べると、こんなにも差があるなんておもしろいですね。