雑穀が健康にいいと言われている理由のひとつに、お通じをよくする食物繊維を豊富に含んでいるという点があります。
毎日お通じがないと便秘という人もいますが、もし残便感があるなら毎日出ていても便秘と診断されることがあります。
日本では基本的に3日以上便通がない、あるいは便通が週3回以下の場合を指します。
病気や腸の異常などで一時的に起こるものもあれば、個人の体質のように、目立たない原因から発生し、慢性的に続く便秘もあります。
この「常習性便秘」にはいくつか原因が考えられます。
ひとつめは服用している薬の副作用で起こる場合。ガンの化学療法などでは嘔吐を抑える薬を飲みますが、この薬は腸の働きも抑えるため、便秘が起こると言われています。
薬を飲んでいない、特に何もしていないのに便秘になるという人は女性に多いです。これは、そもそも排便に必要な筋力が低いからという理由もありますが、排便の恥ずかしさから便意を我慢する環境が続きやすいということもあります。
便意を我慢し続けると感覚がマヒし始めます。こうやってふたつめの「直腸便秘」が起こります。便意を我慢して腸にとどまった便は水分を過剰に吸い取られて固くなり、余計に排出しにくくなります。
現代社会で多いのがみっつめのけいれん性便秘です。精神的なストレスなどで自律神経のバランスが崩れ、大腸炎などを引き起こします。腸の便を動かす機能に問題が生じ、排便の量が落ちてしまいます。
そして、最後に挙げられるのが弛緩性便秘です。これは筋力低下や摂取する食べ物に問題があって腸の働きが落ちてしまうことで起こる便秘です。
食事量が少なかったり、きちんと噛んで食べないために消化が悪かったり、食物繊維の摂取量が足りていなかったりという症状も考えられます。
つまり、雑穀で効果があると言われているのは、最後の弛緩性便秘だということです。